2007年11月29日 20:30 - FORTUNE ARTERIAL SS しゃーぷじゅういち
FORTUNE ARTERIAL SS しゃーぷじゅういち
「ねーねー、こーへー」
ある日の放課後、教室でそんな言葉を聞いた。
「こーへーは、好きな人・・・いる?」
色恋沙汰とは無縁そうな奴から、そんな言葉が聞こえた。
「・・・・・・え?」
FORTUNE ARTERIAL SS しゃーぷじゅういち
運動部の練習だろう、グラウンドからは掛け声が聞こえてくる。
だが孝平には聞こえない。彼の脳内はエマージェンシーモード、ざわ・・・ざわ・・・と効果音が流れてそう。
「どうなの、こーへー。いるの?」
いつもなら平然と返すはずの孝平だが、自分の色恋話、ましてかなで口からそんな言葉を聞いたとあってフリーズしてしまっている。
「え、いや、あ・・・いない・・・けど」
一瞬心の中にあの人が浮かんだ・・・が、孝平は、それが恋だとは、まだ知らない。
「ふぅーん・・・いないんだ・・・」
「なんでいきなり、そんな事聞いてくるんだ?」
「んにゃ?単に気になっただけだよ?うーん・・・居ないかぁ。案外こーへーは鈍感だから、自分の気持ちに気付いてないだけかも」
かなでは続ける。
「こーへーの周りにはいろんな女の子がいるのに・・・。えりりんや白ちゃん・・・私やひなちゃんにきりきりにへーじ・・・少しくらい気になる相手、いない?」
いつもは破天荒な彼女が、本気の目で孝平を見ている。
「・・・・・・へーじ?」
「ん?へーじが好きなの?」
うれしそうに聞き返してきた。
「んなわけあるかいっ!」
「ぇー・・・ぷんぷん、へーじ×こーへーって人気あるのに・・・じゃあ誰?いおりん?」
「ソッチ方面から離れろっ!」
「ぇぇぇー・・・じゃあ誰っ!誰ならいいのっ!相手の男はっ!?」
「なんとしてもBLに走らせたいんですか・・・俺は健全で一般な男子学生ですから」
「なら大丈夫。ソッチの喜びはすぐにわかるから」
だめだこいつ・・・早くなんとかしないと―
「あ、白ちゃん発見。ちょうどいい所に」
廊下を見れば白がてくてく歩いていた。こちらに気付いたようで近寄ってくる。
「かなで先輩、支倉先輩、こんにちは」
礼儀正しくおじぎする白。対して破天荒娘は
「しろちゃん、へーじ×こーへーって人気あるよね?」
などと言っているがどうしたものか。
「え?支倉先輩が受けですか?」
なんとも予想外の返事が返ってきた。
「も・・・もしかして白ちゃんも・・・・・・」
そう言いかけた途中、白が孝平を見て・・・・・・
「BLが嫌いな女の子なんて居ませんよっ!」
なんて、叫んだ。
「は、はわっ・・・」
自分の発言した内容に今更気付いたのか、顔を赤くして俯く白。
そして、隣でうんうん、と首を縦に動かすかなで。いやまて何がうんうんだ。
「わ・・・わわ・・・・・・忘れてくださ―――いっ!!」
「あっ、白ちゃんっ!まって〜」
脱兎のごとく教室から去っていく白。それを追いかけるかなで。
教室に残されたのは唖然とする孝平と、・・・・・・
「白・・・・・・」
いつからそこにいたのか、立ち尽くしている征一郎だった。
ある日の放課後、教室でそんな言葉を聞いた。
「こーへーは、好きな人・・・いる?」
色恋沙汰とは無縁そうな奴から、そんな言葉が聞こえた。
「・・・・・・え?」
FORTUNE ARTERIAL SS しゃーぷじゅういち
運動部の練習だろう、グラウンドからは掛け声が聞こえてくる。
だが孝平には聞こえない。彼の脳内はエマージェンシーモード、ざわ・・・ざわ・・・と効果音が流れてそう。
「どうなの、こーへー。いるの?」
いつもなら平然と返すはずの孝平だが、自分の色恋話、ましてかなで口からそんな言葉を聞いたとあってフリーズしてしまっている。
「え、いや、あ・・・いない・・・けど」
一瞬心の中にあの人が浮かんだ・・・が、孝平は、それが恋だとは、まだ知らない。
「ふぅーん・・・いないんだ・・・」
「なんでいきなり、そんな事聞いてくるんだ?」
「んにゃ?単に気になっただけだよ?うーん・・・居ないかぁ。案外こーへーは鈍感だから、自分の気持ちに気付いてないだけかも」
かなでは続ける。
「こーへーの周りにはいろんな女の子がいるのに・・・。えりりんや白ちゃん・・・私やひなちゃんにきりきりにへーじ・・・少しくらい気になる相手、いない?」
いつもは破天荒な彼女が、本気の目で孝平を見ている。
「・・・・・・へーじ?」
「ん?へーじが好きなの?」
うれしそうに聞き返してきた。
「んなわけあるかいっ!」
「ぇー・・・ぷんぷん、へーじ×こーへーって人気あるのに・・・じゃあ誰?いおりん?」
「ソッチ方面から離れろっ!」
「ぇぇぇー・・・じゃあ誰っ!誰ならいいのっ!相手の男はっ!?」
「なんとしてもBLに走らせたいんですか・・・俺は健全で一般な男子学生ですから」
「なら大丈夫。ソッチの喜びはすぐにわかるから」
だめだこいつ・・・早くなんとかしないと―
「あ、白ちゃん発見。ちょうどいい所に」
廊下を見れば白がてくてく歩いていた。こちらに気付いたようで近寄ってくる。
「かなで先輩、支倉先輩、こんにちは」
礼儀正しくおじぎする白。対して破天荒娘は
「しろちゃん、へーじ×こーへーって人気あるよね?」
などと言っているがどうしたものか。
「え?支倉先輩が受けですか?」
なんとも予想外の返事が返ってきた。
「も・・・もしかして白ちゃんも・・・・・・」
そう言いかけた途中、白が孝平を見て・・・・・・
「BLが嫌いな女の子なんて居ませんよっ!」
なんて、叫んだ。
「は、はわっ・・・」
自分の発言した内容に今更気付いたのか、顔を赤くして俯く白。
そして、隣でうんうん、と首を縦に動かすかなで。いやまて何がうんうんだ。
「わ・・・わわ・・・・・・忘れてくださ―――いっ!!」
「あっ、白ちゃんっ!まって〜」
脱兎のごとく教室から去っていく白。それを追いかけるかなで。
教室に残されたのは唖然とする孝平と、・・・・・・
「白・・・・・・」
いつからそこにいたのか、立ち尽くしている征一郎だった。